応用微分方程式論(大学院・前期)
このページは, 上記講義の受講生との情報交換に使うものです.
今年は松崎先生の講義と重なって数学科の学生が一人も居ないので,
連絡はすべて電子手段でやります.
講義要項と教科書・参考書の紹介
本講義は微分方程式の実用的側面を毎年テーマを選んで解説するものであり,
本年度のテーマは偏微分方程式の逆問題とする.
逆問題とは, 文字通り普通の問題とは逆方向の問題設定のことである.
偏微分方程式の場合で言えば, 方程式が与えられたときにそれを解くのが
普通の問題(順問題)であるのに対し,
逆問題とは, 解のいろいろな性質を既知として,
方程式(の係数など)を決定する問題となる.
もとの順問題が適切 (well-posed) に解ける場合ほど, 逆問題は非適切 (ill-posed)
となる. 逆問題の一つの中心的テーマは, この非適切性を乗り越えて如何に
妥当な計算結果を得るか, という『正則化』のテクニックである.
教科書として A. Kirsch 著
『An Introduction to the Mathematical Theory of Inverse Problems』
(Springer, Applied Mathematical Series 120)
を用いる. 2年前の講義では, 第2章を中心に逆問題の理論の基礎的部分を解説した.
今年はその続きとして, 第4章のスペクトル逆問題の部分を解説し,
時間が有れば偏微分方程式のスペクトル逆問題についても紹介したい.
演習では, 簡単な積分方程式について実際のプログラミングを実習して
もらう予定である.
2001年度講義の概要
- 第1回(4月18日):スツルム-リュービルの固有値問題がどのような
偏微分方程式の問題から出てくるかを解説した.
- 第2回(4月25日):スツルム-リュービル型常微分方程式の初期値問題の解の
存在証明の話をした.
- 第3回(5月2日):休講
うーん, くたびれたので, ホームページは中止. (誰も見る人居ないしね. (^^;))
お知らせ
出席者が少なくなりましたので, 6月20日から小生の研究室 (理 III 号館301) で
講義を行います.
本年度の講義は Kirsch の本の第4章を紹介して終了しました. 単位が欲しい人は
講義中に出したレポート問題をいくつか解いて9月末までに提出してください.
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