応用微分方程式論(大学院・前期)

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講義要項と教科書・参考書の紹介

本講義は微分方程式の実用的側面を毎年テーマを選んで解説するものであり, 本年度のテーマは偏微分方程式の逆問題とする.
逆問題とは, 文字通り普通の問題とは逆方向の問題設定のことである. 偏微分方程式の場合で言えば, 方程式が与えられたときにそれを解くのが 普通の問題(順問題)であるのに対し, 逆問題とは, 解のいろいろな性質を既知として, 方程式(の係数など)を決定する問題となる.
もとの順問題が適切 (well-posed) に解ける場合ほど, 逆問題は非適切 (ill-posed) となる. 逆問題の一つの中心的テーマは, この非適切性を乗り越えて如何に 妥当な計算結果を得るか, という『正則化』のテクニックである.

本講義ではおおむね A. Kirsch 著 『An Introduction to the Mathematical Theory of Inverse Problems』 (Springer, Applied Mathematical Series 120) に基づき, この理論の基礎的部分を解説する.
偏微分方程式の話は終りの方でやっと出てくるので, 正則化の基本の解説だけで 終ってしまうかもしれないが, 無理に急がないでゆっくりやる予定である.
演習では, 簡単な積分方程式について実際のプログラミングを実習して もらう予定である.




99年度講義の概要

これで今年の講義は完了です. 単位の欲しい人は9月末までに講義中に述べた レポート問題のいずれかを解いて提出してください.


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