毎回の講義・演習の概要
- 10月6日(火):第1回 1学期の復習
実数の話,函数の話,無限小,テイラー展開などを駆け足で
復習しました.
surikagaku.pdf 『εδ論法の直観的理解』,
数理科学 2009 年 5 月号, pp.14--20. という雑誌記事の元原稿です.
買わなくても読めるよう,参考として提供しますが,
出版社に叱られないように,パスワードがかけられています.なお,これ以外
は別に秘密ではありませんが,最近勝手に探し回るロボットがうるさく,
知らないところでどう利用されるか心配なので,資料はすべてこれと同じ
パスワードのかかったディレクトリに置きます.
resume1.pdf 本日配布した
演習問題のプリントです.
1題しか解かなかったので,次週もこの続きをやります.
kyokugen.c
講義で解き方を説明した極限の数値実験プログラムです.Cygwin の窓を開
き
gcc kyokugen.c -lm -o kyokugen
でコンパイルし,
./kyokuge
で実行します.このプログラムを
cp kyokugen.c kyokugen1.c
でコピーし,適当なエディター,例えばメモ帳を使って
notepad kyokugen1.c
で編集し,演習の問題 1-1 (1) の解答となるように修正して保存し,
コンパイル・実行してみましょう.
- 10月13日(火):第2回 積分論
区分求積法の歴史をお話しした後,リーマン式積分の定義を学びました.
演習の方は前回の問題の残りをやってもらいました.
kyokugen1.c
前回の項で自分で作りなさいと言った問題 1-1 (1) のプログラムです.
誰もこのページを見なかったようですので,もう解答を載せちゃいます.;_;
コンパイルの仕方は前回の kyokugen.c と同様です.
gcc kyokugen1.c -lm -o kyokugen1
kyokugen2.c
問題 1-1 (2) の連分数のプログラムです.これも kyokugen.c から
sqrt を分数に変えれば,自分でも書けるでしょう.
graph.c
問題 1-4 のグラフです.このファイルを自分のホームディレクトリに
ダウンロードしたら,
コンパイルは,Cygwin の窓を開き,自分の
ホームディレクトリに mizuka/C/X11/ の下の xgrcwn.h と xgrcwn.o を
持ってきてから,これを
リンクして行います
cp -p ../mizuka/C/X11/xgrcwn.? .
(これは一度だけ実行すればよい.? はワイルドカードと言い,任意の一文字
を意味します.最後の空白ピリオドを見落とさないように.)
gcc graph.c xgrcwn.o -lm -luser32 -lgdi32 -o graph
./graph
startx 指令でちゃんと X Window が立ち上がる人は,kterm の窓で mizuka/C/X11 の
ディレクトリにある xgrc.h と xgrc.o を使ってやると,もっときれいに
動きます
cp -p ../mizuka/C/X11/xgrc.? . (これも一度だけ実行すればよい.)
gcc graph.c xgrc.o -lm -lX11 -o graph
./graph
このグラフは a=1, b=2, c=3 の場合ですが,
描かれたグラフを見ると,到る所で単調減少なことが見て取れるので,無限遠
と漸近線の近くでの符号を見るだけで,x 軸と交わる回数が突き止められそう
に見えますね.
※ 描画のために開く新しい窓が Cygwin の窓の下になってしまうと,隠れた
部分が描画されないことがあります.予め Cygwin の窓を縮めておき,重なら
ない場所に移動してから ./graph を実行しましょう.
- 10月20日(火):第3回 原始函数の計算
原始函数の計算技法を学びました.
新しい問題を配布しました.No.1 でこの日にやり残した
問題はレポートにはしませんでした.続きをもう少し頑張ってください.
resume2.pdf この日に配布
した演習問題のプリントです.もう失した人が現れましたが,今後はここから
取り込んで印刷してください.
parabola.c 上記のプリ
ントの挿絵を描いたプログラム.これも graph.c と同様にコンパイルしま
す.これだけ複雑だとけっこうプログラムするにも時間がかかります.
kyokugen3.c
問題 1-1 (3) のプログラムです.これは
gcc kyokugen3.c -lm -o kyokugen3
でコンパイルできます.
ex1-10-3.c
問題 1-10 (3) のグラフです.graph.c と同様にコンパイルします.
これは陰関数表示の曲線を,yにつき解いた形で,上と下に分けてそれぞれを
函数のグラフとして
描いていますが,Risa/Asir (セイウチのアイコン) なら,陰関数の
方程式を ifplot 函数に入力するだけで描いてくれます.
x=1 の付近で y=±(x-1) に近いこと,x→∞のときの微妙な増大度などを味わ
いましょう.
- 10月27日(火):第4回 連続函数のリーマン積分可能性
一転してまた理論的な話に戻り, 有界単調函数と連続函数の有界閉区間上での
リーマン積分可能性を論じました.積分の区間に関する加法性も示しました.
resume3.pdf この日に配布
した演習問題のプリント (2009.11.29 15:24 改良版)
report1.pdf 次は2週
間後になるので,レポートを出しました.これはヒントです.これで
きっとみんなこのサイトを見てくれるでしょう. (^^;
zenkasiki.c ダメ押し
で漸化式により定義された数列の挙動を調べるプログラムもサービス公開
しちゃいます.これでもこのサイトを見なかった人はがっかりするでしょうね.
(*^^*) 図を描きますので,コンパイルの仕方は graph.c と同様です.分から
ない人は遠慮なく理3号館308金子研まで質問に来てください.
- 11月10日(火):第5回 ハイネ-ボレルの被覆定理と一様連続性
一週間空いたので,丁寧に復習したら,広義積分までたどり着けませんでした.
- 11月17日(火):第6回 広義積分
前回のクイズの答を示すためにリーマン積分論の続きをちょっと (沢山)
やった後,いよいよ広義積分に入りました.
resume4.pdf この日に
配布した演習問題です.
report1kai.pdf
演習の第1回レポートを返却しました.これはその解答と講評です.
本日印刷配布しましたが,まだ残っているので,お休みした人は請求してくだ
さい.
- 11月24日(火):第7回 広義積分の続き
絶対収束と条件収束の違いを説明し,収束判定のための比較定理を紹介しまし
た.
- 12月1日(火):第8回 条件収束
条件収束する広義積分の例を調べました.最後に,極限と積分の順序交換の
話をし,一様収束の概念の紹介をしました.
resume5.pdf
(2009.12.22 21:57 改訂版) この日に配布した演習問題ですが,出張から
帰って慌てて作ったので,訂正とヒントを追加しました.(赤字で示された部分
が,配布版から変更・追加されているところです.
複数回改訂しましたが,色は区別していません.)
sinxoverx.c
(sin x)/x のグラフです.graph.c と同様にコンパイル・実行してください.
- 12月8日(火):第9回 一様収束
一様収束について本格的な解説に入り, 積分との順序交換などの話をしました.
- 12月15日(火):第10回 ワイヤストラスの定理
前回,紹介だけしたワイヤストラスの定理を証明し,積分で定義された
函数の連続性を調べました.
- 12月22日(火):第11回 積分記号下の微積分
演習ではもうやっている積分記号下でのパラメータに関する微分や積分の
正当化を済ませました.
resume6.pdf
この日に配布した演習問題です. これが試験範囲の最後です.
report2.pdf
演習の時間に生存競争に敗れた人のための救済レポートです.
12月24日に質問予約した人へ
風邪を引いてしまい,やばいのでキャンセルさせてください.(>_<)
代替日は改めてメールで打ち合わせしましょう.m(__)m
- 1月12日(火):第12回 級数
級数の収束発散の判定法に入りました.最後に大慌てで冪級数の収束半径の
定義と基本的な求め方を解説をしました.
report2kai.pdf
この日に回収したレポートの解答です.
- 1月19日(火):研究室の学生と高松の暗号学会に行ってきますので,
僕の講義はありませんが,講義時間に TA さんに試験の予行演習をやってもらい,
演習の時間に答合わせをしてもらいます.
- 1月26日(火):第13回 冪級数とオイラーの等式
冪級数の収束半径を求めるダランベールとコーシー - アダマールの
公式を示しました.次いで,
冪級数が収束円内で複素数に対しても意味を持つことを示し,オイラーの
等式を導きました.
上極限を習っていなかったようなので,説明したため,コーシー - アダマー
ルの公式の厳密な証明ができませんでした.また初等函数のテイラー展開の
有効範囲の確認や,解析函数と無限回微分可能な函数の差なども説明
できませんでした.これらについては2年生以降の講義で学んでください.
リーマン積分論のダルブーの定理もやる時間がありませんでした.この定理の
意義については,質問に来た3人にはお話ししました.証明は教科書に書かれ
ていますので,将来必要になったら参照してください.
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