情報科学科34年『情報科学特別講義 II』のページ
本講義は, 僕の専門である超函数と偏微分方程式の超局所解析の解説を行うものです.
ここでこんな講義をやるとは全く予期していなかったのですが, 好奇心旺盛な
今年の卒研生が, 僕がどんな研究をしているのか知りたいというので, どこま
で続くか分かりませんが, やってみることにしました.
このページには, 講義予定, 臨時休講のお知らせ等を書き込みます.
毎回の講義の概要
- 第1回(10月6日):超函数とは?
超函数の歴史的背景を説明し, 超函数の3通りの捉え方をデルタ函数を例に取
り説明しました.
- 第2回(10月13日):超函数と積分
シュワルツ流の超函数と佐藤流の超函数に付いて, 定積分の定義を検討しまし
た.
- 第3回(10月20日):超函数と微分
超函数のシュワルツ式微分の定義の準備のため, 局所凸位相線型空間とその双
対空間の話をしました.
- 第4回(10月27日):超函数と演算
微分演算を双対作用素として定義し, 原点に台を持つ超函数の構造を調べまし
た.
- 11月10日 京都出張のため休講
- 第5回(11月17日):1変数佐藤超函数
1変数佐藤超函数を正則函数の空間の商空間として定義し, 原点に台を持つ
佐藤超函数の構造を調べました.
- 第6回(11月24日):超函数のフーリエ変換
コンパクト台の超函数のフーリエ変換の性質を調べました.
- 第7回(12月1日):緩増加超函数のフーリエ変換
シュワルツ空間の定義をし, 緩増加超函数のフーリエ変換を導入しました.
- 12月8日 河村先生のご本の校正をみんなでやったため休講
- 第8回(12月15日):フーリエ超函数
佐藤流のフーリエ変換論の紹介をし, 1のフーリエ変換と, ポアソンの和公式
の証明をしました.
- 12月22日 応用数学合同シンポジウムに参加のため休講
- 第9回(1月12日):リュービルの定理
緩増加超函数の偏微分方程式論への応用を述べ, 佐藤超函数の場合との
違いを解説しました.
- 第10回(1月19日):Fourier 超函数の構造定理
佐藤の超函数が大域的に連続函数の無限階微分で表されることの証明を途中ま
でやりました.
- 1月26日 暗号シンポジウムで神戸に行くため休講
- 第11回(2月2日):Paley-Wiener の定理と実解析解の延長
定数係数線型偏微分作用素に対する Ehrenpreis の基本原理を解説し, 小生の
修士論文の内容である, 凸コンパクト集合への実解析解の延長定理を証明の粗
筋とともに紹介しました.
これで全日程終了です. 今まで絶対無理だと思っていましたが, 小生の主要業
績を学部生に対して半年で解説しようと思えばできるんですねえ. (*^^*)
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