1年理学部共通講義『数理基礎論』のページ

新入生のみなさん, こんにちは. 大学の構内が新鮮に見えているうちに 勉強のパターンをしっかり身に着けてしまいましょうね. 最初が肝心. 頑張りましょう.

世の中のことはすべて論理で動いています. 論理は, 人を納得させる ためのものです. でも, 論理というのは人によって, 分野によって, 異なります. 泥棒にも論理があると云われるくらいですから. (^^;)
冗談はともかくとして, 学問の世界でも, 計算機でシミュレーションしただけで (再現性さえあれば)証明として立派に認められる分野も有れば, 例を山のように 積んでもそれだけでは定理にはならない分野もあります.
他方, 論理が売りの数学でも, 4色問題の証明のように, 最終的な部分が 計算機によるシラミ潰し探索に依存し, 全体の正しさがプログラムの正当性に 帰着してしまったようなものも有れば, フェルマーの最終定理のように, 数学本来の正統的証明が与えられたにも拘らず, それを理解できる数学者が 世界に数えるほどしかいないという場合もあります.
この講義では論理とは何かを考えながら, 理学の分野で共通の議論が できるように, 論理に関する最小限の共通知識を身に着けることを 目指します. 扱う内容は

などです. 証明の基本的論法や, 計算機内部での計算回路で使われる論理 演算の理解, 古来論理の模範とされてきたユークリッド幾何学の効用と限界, 無限集合に関するさまざまなパラドックスと, それを防ぐための 公理的アプローチ, など話題は尽きませんが, なるべく楽しく進めて, 最後は現代文明のキーワードにもなっているゲーデルの不完全性定理の 解説くらいまで到達したいものです.

この講義には演習はついていませんので, アメリカの大学式に毎回 ショートクイズを出して, 出席と平常点に利用するつもりです. 期末試験もやる予定です. ただし人数が多いと予想される上, チューターが使えないし, 学科長と兼務で ごらんの通り沢山の講義を担当するので,レポートは 出しても丁寧に見てあげられないと思います.解答はちゃんと出しますので, 出来具合は自分でチェックしてください.

このページは, 実際に講義が始まったら, 受講生との情報交換に使う 予定ですが, とりあえずは, 講義要項と教科書・参考書の紹介を しておきます.

参考書として, 細井 勉著「集合・論理」(共立出版)を挙げておきます.
この本はかつてこの講義を担当してくださった非常勤の先生が書かれたものです. 細井先生は学生があまり騒がしいので,いやになってやめてしまわれた そうです. 僕はにぎやかなのは苦にしませんが,勉強だけはしっかりしてくださいね!

毎回の講義の概要 講義の進行とともにここに書き込んで行きます.
ここにリンクされている講義のレジュメのファイルには,一般公開すると 著作権に抵触する可能性のある画像等が含まれています. なので,ユーザーID とパスワードをつけています.この二つは 最初の講義時にお知らせします.

これから講義に関する連絡はすべてこのウェッブサイトとメールでやります. 電子メールは,情報科学科の学生は必修なので学科のメールアドレスに 出します.早く学科のメールの扱い方に習熟してくださいね. その他の学科の履修生は,学籍番号の付いた情報処理センターのアドレスに 出します.

試験は9月10日(月)に, 講義と同じ時間・教室で 行われます.


講義科目の紹介メニューに戻る.