全学共通科目『大気・海洋科学概論』のページ
【プロローグ】
この講義は,教員免許『地学』のための選択専攻科目として, 河村先生が
ずっと担当されてきましたが, 先端融合系長になられ, 少々くたびれて
おられるので, 小生が横取りしてやってきました.
河村先生はその後,ますます忙しくなられたので,当分取り返されそうには
ありません.(*^^*)
講義内容は, 最初は大気と海洋の流体力学を素材に, ベクトル解析の練習と
思っていたのですが, 数学的内容だけではくたびれる人もいるだろうと,
気象予報士の勉強を取り入れてみました.そしたら,そっちの方にはまっちゃっ
て,今では流体力学はほんのちょっとになってしまいました.(*^^*)
【講義概要】
大気と海洋の運動を記述する気象力学の偏微分方程式の導出と数値解法を
目標とし, 気象予報士に必要な知識のバックグラウンドを学ぶ.
【講義内容】
地球の不思議, 気象予報士になるための知識のまとめ.
大気の科学,温帯低気圧のしくみ,天気図, 台風の話,
竜巻の話, 気象力学の方程式, 数値予報, などなど.
【参考書】
かつて質問が有ったのでお答えしますが,特に興味を持って気象予報士で
も目指そうとか,将来の専門に選びたいとか言うのでなければ,以下に紹介す
る本を買う必要は有りません.
気象力学の教科書↓
気象予報士のバイブル↓
英語に自信の有る人には下記の参考書の方がお薦めです.
気象力学の定本教科書↓
気象一般の物理・化学現象の解説が詳しい↓
【成績評価】
僕は2年までは一応期末試験ということにしていますが, 河村先生が
この講義はずっとレポートで採点しておられたそうなので, レポートにします.
出席もとります.まああまり硬く考えないで,楽しんでください.
【実際の講義概要と予定】
講義の進行とともにここに書き込んで行きます.
- 10月2日(金):第1回 地球と天気
最初のうちはあまり数式を使わないように
軟着陸を心がけます.
初日は, 地球の特殊性, それを支える水についての話をし, 気圧,温度などの
基本的概念と湿度を表すいろいろな概念について解説しました.
meteo1.pdf;   本日の講義のプレ
ゼン資料 (2009.10.3 21:13 改訂版. Fahrenheit の綴りはやはり間違ってまし
た.何と Celsius の綴りもも間違ってました.今頃気づくとは (^^;)
資料を見るには, 本日の講義の最初にお知らせしたユーザーID とパスワードが必要
です. 遅れてきて聞き損なった人は,来週まで待てないという場合はメールで
お問い合わせください.
- 10月9日(金):第2回 雲と雨
雲と雨の話をしました.
meteo2.pdf;   本日の講義のプレ
ゼン資料 (2009.10.11 12:09 改訂版. 霧の例のあたりであやふやだった点を
詳しくしてあります.)
- 10月16日:第3回 熱放射と光・虹の話
電磁波(熱放射と光),虹や散乱,日射の話をしました.
プロジェクタの調子が悪かったので,黒板で波動方程式のお話を予定より
詳しくやったら,後の方が全部終わりませんでしたが,レジュメは
すべて載せておきます.気象予報士の最後の問題は,今日のうちにやった方が
解けるでしょうから,自分でやっておいてください.地球の熱収支のページは
次の時間に解説します.
meteo3.pdf;   本日の講義のプレ
ゼン資料 (2009.10.16 21:38 訂正版)
注意:10月18日(日)全学停電のため,このサーバは土曜の夜18:00から月曜の朝10:30
まで停止します.その間は出席メールも受け取れなくなります.
- 10月23日:第4回 熱と天気
熱力学と天気との関わりについて学びました.今日は物理や化学の式がいくつ
か出てきましたが,いずれもまだ高校程度の内容なので,頑張って理解しましょ
う.なお,レジュメには,講義で省略した公式の証明も載せました.
気象予報士の試験にはそこまでの知識は不要ですが,大学の講義としては,
物理既習の人は読解してくれるとうれしいです.
meteo4.pdf;   本日の講義のプレ
ゼン資料
- 10月30日:第5回 風の話
いろいろな風の話をし, 特にコリオリ力の説明をしました. さらに物理っぽく
なりましたが,たかが毎日当たっている風です.力学などと難しく考えずに,
心地よく当たりましょう.(^^;
meteo5.pdf;   本日の講義のプレ
ゼン資料
- 11月6日: 徽音祭の準備のため講義はありません.
- 11月13日:第6回 大規模・総観規模の気象現象
子午線循環と熱の移動の話をし,マクロ気候学の代表格である,
エルニーニョやプラネタリ波の紹介をし,
続いて総観規模の気象に移り,温帯低気圧の成因と構造を解説しました.
meteo6.pdf;   本日の講義のプレ
ゼン資料
- 11月20日:第7回 中規模気象現象-1
台風の話をしました.
meteo7.pdf;   本日の講義のプレ
ゼン資料
今日のは画像が多いので決心してダウンロードしてください. なお, すべての
使用画像について言えることですが, 特に今回の天気図は,
私が購入したものをみなさんの学習用に提供しているもので,
気象庁に著作権が有りますので, 決して流用しないでください.
- 11月27日:休講 (福岡で開かれる日本気象学会
に勉強に行きます.)
- 12月4日:第8回 中規模気象現象-2
海陸風などの話をしたあと, 小規模気象現象の例として
竜巻とダウンバーストの話をしました.
meteo8.pdf;   本日の講義のプレ
ゼン資料
本日も画像が多いので,覚悟してダウンロードしてください.
- 12月11日:第9回 数値予報と天気予報
現代の天気予報に欠かせない数値予報の概説をしました. 出席メールの
反応によると,差分法の説明を丁寧にやったのは逆効果だったかも
しれませんね.
meteo9.pdf;   本日の講義のプレ
ゼン資料
- 12月18日:第10回 気象力学の偏微分方程式 - 1
黒板で気象力学の偏微分方程式の導出をやるため,今日は偏微分の復習から
ていねいにやったので,慣性系における Newton の運動方程式の導出まで
たどり着けませんでした.物理の学生の感想は,良い復習になった,生物の学
生の感想は,さっぱりわからなかった,というのは予想通りではありましたが,
この講義は,全学共通科目で文系の学生にも選択可能なのに,物理学科では
専門科目の扱いになっているので,物理の履修生が一年生でも,全員を
満足させるにはかなり無理があります.まあ,数学苦手の人は気軽に聞いて
ください.興味あるけど分からないと言う人はいくらでも質問に来てください.
meteoa.pdf;   本日の講義のレジュ
メ
これは次回にや
る本体部分に対する付録として追加されたものなので,ページが途中からに
なっています.また,講義中に話した内容の方がこのプリントよりは
少しやさしくなっています.
- 1月8日:振替月曜なので,この講義はできません (残念ですね
(*^^*)).
という訳で,次は
- 1月15日:第11回 気象力学の偏微分方程式 - 2
黒板で気象力学の偏微分方程式の導出をやりました.
慣性系における Newton の運動方程式を導出し,回転座標系に書き換える
ための準備として,回転座標系に固定されたベクトルの時間微分の
公式を導きました.外積の説明をやる時間がなかったので,次回に補います.
meteob.pdf;   本日の講義のレジュ
メ (1010.1.29 23:07 改訂版)
気象力学の方程式の本体部分です.次回もこのプリンとの続きをやります.
- 1月22日:休講 (高松市で開かれる暗号の年次研究会に勉強に行ってきます.)
- 1月29日:第12回 気象力学の偏微分方程式 - 3
回転座標系における気象力学の主要な方程式の導出を行い,
総観規模のスケール解析により,地衡風の方程式を導く予定でしたが,
外積の説明を丁寧にやりすぎて時間が無くなったので,最後は駆け足
でした.
最終回なので,いつもの3倍くらいの出席者があり,用意した40枚の
プリンとが足りなくなりました.(^^;
report.pdf;   本日配布した
レポート問題です.今日貰い損なった人は自分で印刷してください.
レポートの提出先や提出〆切等の詳しいことはこのプリントに書いてあります.
ただし今年度卒業予定の人は学務課の成績提出締切りが間近なので,上記の記
述に拘らず早々にレポートを提出してください.
tenkihakuchizu.jpg;  
天気図のレポート作成用の画像です.今回は市販の地図から画像を取りました
ので,レポート作成以外には使わないでください.
これで講義はおしまいです. みなさん, 面白い感想ありがとうございました.
とても講義の励みになりました.
レポート頑張ってください.
【レポートの参考となるウェッブサイトの URL】