離散数学特論
本講義は,広く離散数学の基礎とその実用的な道具の中から適当な題材を選び,
応用にも視点を置いて解説するものである. (設置審の書類から抜きだしたら,
いやに堅苦しいですね. ^^)
今年度は特にウェーブレットの解説を行う予定です.
基礎理論としては
I. Daubechies : Ten Lectures on Wavelets, SIAM, 1992
(SBMS-NSF Regional Conference Series in Applied Math. No. 61)
を中心に紹介し適宜応用の文献を補います.
本書の出版により 1994 年に AMS の Leroy P. Steele 賞を受けたときの Ingrid Daubechies (SIAM NEWS 27-9 より)
君達も頑張りなさいね!
その他に参考書として Wavelet の応用と歴史的展開を手際良くまとめたものとしては
Y. Meyer : Wavelets (Algorithms and Applications), SIAM, 1993
が好著です.
また
芦野隆一, 山本鎮男 『ウエーブレット解析』, 共立出版, 1997
は, 理論と応用が手際良くまとめられているばかりか, ウエーブレット関係の
教育用やプレプリントの www サイトなどの紹介も含まれている便利な本です.
まだこれから勉強するのですが(いつものこと (*^^*)),
数値解析, 画像処理や CT への応用なども紹介できたらいいなと思っています.
(誰か主任代わってよう!)
このページは, 実際に講義が始まったら, 受講生との情報交換に使う
予定ですので, 受講希望者はときどきチェックしてください.
緊急のお知らせ
次回, 4月24日(金)から, 講義室を理 III 号館307号室(金子研のゼミ室)に
変更します.
毎回の講義の概要
- 第1回(4月17日(金)): ウエーブレットが L2(R) の基底のなかで
どのように特徴付けられるかを述べ, Fourier 変換を越えた信号の“超局所解析”
のための道具としてのウエーブレットの意義を解説した.
- 第2回(4月24日(金)): 窓付フーリエ変換の時間-振動数同時局所化に対する短所を明らかにし,
ウエーブレットの代表的例を導入した.
- 第3回(5月1日(金)): Haar ウエーヴレットの完全性の証明をし, その一般化として正規直交ウエーヴレットの抽象的構成法について話した.
- 第4回(5月8日(金)): 正規直交ウエーヴレットの抽象的構成法の続きを話した後, 連続ウエーヴレットの話に入った.
- 第5回(5月15日(金)): 連続ウエーヴレット変換の反転公式を証明した.
- 第6回(5月22日(金)): 離散ウエーヴレットの一般論に入り, 抽象的なフレームの条件を述べた.
- 第7回(5月29日(金)): 双対フレームの作り方に関する一般論の準備として正定値 Hermite 演算子の性質を復習をした.
- 第8回(6月5日(金)): 双対フレームの作り方に関する一般論を解説した.
- 第9回(6月12日(金)): 離散ウエーブレットがフレームとなるために満たすべき必要条件について話した.
- 第10回(6月19日(金)): 離散ウエーブレットがフレームとなるための十分条件の証明を途中までやった.
- 第11回(6月26日(金)): 離散ウエーブレットがフレームとなるための十分条件の証明を完結し, 多重音声拡張について述べた.
- 第12回(7月3日(金)): 離散ウエーブレットの例をいろいろ示した.
- 第13回(7月10日(金)): 例の続きとして Meyer の正規直交ウエーブレットの例を紹介した.
- 第14回(7月17日(金)): 正規直交ウエーヴレットを多重解像度解析で作り出す Mallat-Meyer の一般論を紹介し, Battle-Lemarie の例を示した.
今年はこれでおしまい. 応用例については
ミニシンポ
の山田道夫先生のご講演などを参考にしてください.
主なウエーブレットのホームページへのリンク
(上掲の参考書にはもっと多くのアドレスが載っています.)
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