情報科学科3年『力学系理論』のページ

この講義は金子研の卒業研究の指導を3年生に公開し, 人材の確保を 計るものです. (^^;)
3年生にはややハードかもしれませんが, 雰囲気を味わってください.
聴講者が少ない場合は金子研に会場を写してお茶を飲みながらのセミナー 形式になるかもしれません. 従って出席が重視されます. その際は 雰囲気だけでなくお茶を味わってください. (*^^*)

講義概要

力学系とは元来, 力学の法則に従って動く質点系のことを言い, これを研究するのが力学系の理論です. その代表例は天体力学における いくつかの星の相互運動ですが, 最近ではそれに限らず, また連続体の運動 に関連して無限次元の力学系というものも盛んに研究されています.

力学の法則は Newton の運動方程式で表され, 質点が複数個存在すれば連立常微分方程式となります. 従ってこの講義は連立常微分方程式で定義される現象の解説が中心となります.
常微分方程式の基礎理論から始め, ポアンカレ写像, アトラクター, 分岐理論など, 力学系の基礎を成す重要な概念を解説し, 決定論的カオスの例などを紹介する予定です.
講義では数学的説明だけでなく計算機によるシミュレーションを見せ, また数学があまり得意でない人にはレポートとしてプログラミングをしてもら います.
力学系の最も古典的な例は二体問題で, Kepler が発見した惑星の運動の法則 が Newton による万有引力の法則の導入と, それを表現した連立常微分方程式 の解により数学的に説明されたのがその最初の成果でした. 力学系の中心テーマの一つは三体問題であり, 二体問題のように解析的には解 けないことが明らかにされ, 従ってそれを定性的に研究する必要から位相幾何 学が発展して来ました. 位相幾何については同時開講される情報科学特別講義 II でも解説されます.
三体問題については最近八の字軌道を描く新しい安定な解が発見され新聞にも 載る程に注目されました. この講義は, 最後に変分法の解説をし, その応用としてこの三体問題に関する最近の結果を紹介するのを目標とします.

このページは, 実際に講義が始まったら, 受講生との情報交換に使う 予定です. ただし, ホームページよりもメイルによる連絡の方が確実なので, 受講希望者は早めにメイルを下さい.

毎回の講義の概要 講義の進行とともにここに書き込んで行きます. サービス講義なので, あまり真面目に書き込まないかもしれません.


講義科目の紹介メニューに戻る.