応用微分方程式論(大学院・前期)
このページは, 上記講義の受講生との情報交換に使うものですが,
数学科の www ブラウザ環境との交信が良好でなく,このページが
良く見えないことがあるそうですので, 必要なファイルは
xx999.xx.is.ocha.ac.jp (IP 133.65.112.1) ~kanenko/Fem の下にも
置いておきますので,受講生は必要なら情報科学科の市川先生に申し出て
3号館5階にあるこのホストのアカウントを取得し,ftp 等で必要なファイルを
自分の使用環境に取り込んで下さい.
講義要項と教科書・参考書の紹介
本講義は微分方程式の実用的側面を毎年テーマを選んで解説するものであり,
本年度のテーマは有限要素法とする.
有限要素法とは,一言でいえば領域を三角形など簡単な形状を持った要素に分割して,
区分一次函数などの初等的な基底を用いた線型代数の計算で,難しい偏微分方程式の
問題をすいすい解いてしまおうというものである.
本講義ではおおむね C. Johnson 著
『Numerical solution of partial differential equations by
the finite element method』(Cambridge University Press)
に基づき, この理論の基礎的部分を解説する.
だいたい同書の第7章くらいまでを目標とし, 楕円型の境界値問題については
ほぼ一通りの知識を得ることを目指す.
これに実際のプログラミングの解説を補って実習もしてもらう予定である.
参考となるウエッブサイト
(98.5.8 追加)
http://www.engr.usask.ca/~macphed/finite/fe_resources/fe_resources.html有限要素法関係のほとんどすべてのホームページにリンクされています.
97年度講義の概要
- 第1回(4月23日):有限要素法について簡単に紹介し, デモを見せた.
- 第2回(4月30日):1次元の場合の二階方程式に対する Dirichlet 境界値問題の有限要素法による解法の話をした.
- 第3回(5月7日):1次元の場合に同上の有限要素法の誤差解析の話をした.
最後の計算は間違っていました. あそこはどうやっても h^1/2 しか出ません. しかしそれでも L^2 ノルムの h^2 評価は出せます. 詳細は次回の始めに話します.
- 第4回(5月14日):Fourier 変換論の基礎と Sobolev 空間の定義をした.
- 第5回(5月21日):Sobolev の埋蔵定理とトレース作用素の解説をした.
- 第6回(5月28日):2次元の Poisson 方程式の境界値問題の弱形式による定式化を論じ, 続いて三角形要素を用いた具体的計算の手順の解説に入った.
- 第7回(6月4日):同上の続きとして, 剛性行列と質量行列の計算法を解説し,
数値積分の話をしました.
- 第8回(6月11日):今後の予定について話し, 有限要素法のソフトの紹介をした後, Lax-Milgram の定理の解説に入った.
- 第9回(6月18日):Lax-Milgram の定理を終えた後, 2階楕円型演算子の実例を検討した.
- 第10回(6月25日):実例の検討の続きをし近似誤差の評価理論の基礎を述べた後, 有限要素の拡張の話に入った.
- 第11回(7月2日):種々の有限要素を紹介し, それに伴う補間誤差の評価の話に入った.
- 第12回(7月9日):補間誤差と有限要素法の解の誤差評価の話を終え, 巨大行列の解法に入った.
- 第13回(7月16日):CG 法の解説で本講義を終了する. なお, この日は
臨時に9時から数学科で講義をするので, 本講義の始まりを10分遅くします.
repo1.ps第1回レポート問題の PS ファイル
repo1.tex同上の TeX ソースファイル(漢字コードは EUC です).
repo2.ps第2回レポート問題の PS ファイル
repo2.tex同上の TeX ソースファイル
repo3.ps第3回レポート問題の PS ファイル
repo3.tex同上の TeX ソースファイル
式番号を引用していますので, 2度コンパイルしてください.
repo4.ps第4回レポート問題の PS ファイル
repo4.tex同上の TeX ソースファイル
repo5.ps第5回レポート問題の PS ファイル
repo5.tex同上の TeX ソースファイル
repo6.ps第6回レポート問題の PS ファイル
repo6.tex同上の TeX ソースファイル
repo7.ps第7回レポート問題の PS ファイル
repo7.tex同上の TeX ソースファイル
repo8.ps第8回レポート問題の PS ファイル
repo8.tex同上の TeX ソースファイル
最後の No.8 を追加しました. 本講義の単位取得希望者は, 少なくとも3題は
解いて提出してください.
レポート提出期限:9月30日(火)
提出先:特に指定しません. 直接研究室に持って来てもいいし, 5階の事務室の
メイルボックスに入れてくれても結構です.
提出要領:TeX で A4 版に作成・印刷してください.
注意1 研究室の前に, 9月12日〆切の一年生のレポートボックスが置かれます. 早めにレポートを仕上げた人は, 間違ってその中に入れないように!
2 TeX を使ったことの無い人は, レポート問題の TeX ソースを参考にして
工夫してみてください. 作成の要領は
1) レポート問題の TeX ソースを参考にして, エディターでソースファイル(例えば report.tex とする)を作る.
2) TeX のコンパイラ "jlatex report" を実行して dvi ファイルを作る.
3) "dvi2ps report > report.ps" で ps ファイルを作る.
4) "lpr report.ps" で印刷する.
です. 慣れないうちは 1) の段階でエラーがたくさん出ますが, 参考書を
見ながら修正してください.
なお, 『応用微分方程式特論演習』として, 7月23日朝10時40分より
理学部3号館5階の計算機演習室で FreeFem の使用練習を行います.
演習の履修届けを出していない人も, 今まで講義で聞いて来たことの
体験のためなるべく参加してください.
講義科目の紹介メニューに戻る