関数論

このページは, 実際に講義が始まったら, 受講生との情報交換に使う 予定ですが, とりあえずは, 講義要項と教科書・参考書の紹介を しておきます.

プロローグ
整数論は数学の女王と呼ばれる.では函数論は数学の奴隷か?確かに函数論は 数学のあらゆる分野で奴隷のようにこき使われており,これを知らない奴は自分が 奴隷のように働かされる羽目になる.
しかし他方,函数論は誠に豊かな例を擁しており, それを通して現代数学の母と なって来た. 現代数学の面白い理論で, そのプロトコルとしての例を函数論の中に 持っていないようなものは本物ではない.
こんな風にいうとひいきの引き倒しで, 函数論を数学史の中に追いやってしまいそう だが, どっこい函数論は今もそれに魅せられて創造活動をしている多くの研究者を 擁してもいる.

翻って, 函数論を応用の立場から見ると, 伝統的に留数計算, 複素位相の計算, 等角写像を用いた2次元の流体や電磁場の計算など工学の多くの現場で使われて いる. 今後は思いがけない分野で使われることも大いに考えられるが, 普通, 微積分では あまり丁寧にやられない平面の位相幾何的基礎概念の訓練の場という面でも 重要だろう.
数学科の学生と情報科学科の学生を同時に満足させるような講義は難しいだろうが 計算機などを採り入れて, お互い助け合いながら学んでもらうのもいいだろうと思う.

教科書は敢えて統一しない. 数学科の学生には
高橋礼司『複素解析』,東大出版会, 1990
を参考書として挙げておく.
情報科学科の学生には
表 実 『複素関数』, 理工系の数学入門コース5, 岩波書店
を挙げておく. 実際の講義はこれらの共通部分を大体同じ順番で解説する ことになろう.
   
なお, 昨年用いた
松田 哲『複素関数』, 岩波, 1994
はもう一つ高級なシリーズの本でした. (微積の教科書と同じものにした つもりで間違えました. 去年の人, ごめんなさい. m(__)m ) 先輩から去年の教科書をもらった人は頑張って高級な方で勉強しても構いません. 意欲のある人は, 数学科なら, 名著
L. Ahlfors: Complex Analysis,
を英語で読むことを勧める.(下の画像は僕が学生時代に読んだもので, 今の版の表紙とは違っています. 貫禄ある表紙でしょ? ^^;)
情報科学科で, 将来数値解析に携わるつもりの人なら, これまた名著
Peter Henrici: Applied and Computational Complex Analysis, I, II, Wiley.
を今から用意して, 拾い読みするのも楽しいだろう. いずれもペーパーバック版が あり, なまじっかな日本語の本よりは安く手に入る.
   

出席カードを今年も作ることにしました. 頑張って集めてください.

では, 講義でお会いするのを楽しみにしています.

毎回の講義のタイトルとメモ
今年はもう少しちゃんとしたレジュメにする予定です. fmemo99.html

レポートについて
ここにレポートの出し方に関する詳しい説明があります: frepo99.html

お知らせ

☆11月18日(木)出張のため休講です.
代わりにレポートが出ています. (11日の講義時に印刷版を配布します. )
第2回レポート問題
同上の TeX ソースファイル(レポートを TeX で出す人のための参考用です)

☆12月9日の講義時に第2回レポートを返却し, 解答と講評の印刷物を配布します. それまで待てないという人のために
第2回レポート解答と講評

☆12月16日の講義時に第3回レポート問題を配布しました.
第3回レポート問題
以下の訂正をメイルで流しました.
1) 提出〆切が 1999 年になっていますが, 2000 年の誤りです.
2) レポートの最後に出席票の台紙を添付して提出してください.

☆1月20日は情報・数学に分かれて計算機の演習をやる予定です.

☆試験は2月3日の講義時間帯に講義の部屋でやる予定です.

☆第3回レポート解答と講評
初版 2.1.00:30; 第2版 2.1.10:20; 第3版 2.2.0:30; 最終版 2.2.10:30; 訂正 2.2.13:20
(まだ不備があるかもしれませんが, これから一年生のレポートに かからねばなりません. 試験はもう明日なので, これで頑張ってください!)
(repo3kai.ps) PS ファイルです. ghostview または gsview で見て下さい.
(repo3kai.pdf) PS ファイルが読めない人のために adobe acrobat pdf 形式に変換した ものも置いておきます. acroread で読めます.
☆期末試験問題shiken.ps
できなかった人はじぶんで印刷して提出して下さい. (もう締め切りました. (^^;)
☆期末試験問題・解答と講評shikenkai.ps
第3回レポートと答案は数学科の学生については真島先生から返却してもらいます. 解答と講評をこのページから自分で印刷できない人はもらいに来て下さい.


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